貧者と富者の差

元来、貧と富はそんなに遠くにあるものではない。わずかな差なのだ。そのわずかな差が大きな差になる源は、ただ一つの心得にある。

貧者は「昨日の借金ために今日を生きる。昨年の借入金のために今年働く」。それでは、いつまでたっても自分の生活は自由にならず余裕は生まれない。蓄財もできない。社会的な成功もない。

富者は「明日のために今日を働き、未来のために今年を勤める」。それならば、早々に自分の生活にゆとりができて蓄財ができ、成功・発展する。

世間の人を見ていると、多くが「今日飲みたい酒がない時はお金を借りて飲む」人たちだ。今日食べるお米がない時は、また借金して食べるのだ。これでは困窮から脱することはできない。今日、実行・実践する労を惜しまずに得たお金を蓄え、将来に備える。明日すべきことの準備を今日のうちに仕上げておけば、明日になってから心配することもなく余裕ができて財は蓄えられていく。

それなのに貧しい人たちは「明日得るだろうお金やチャンスを今日のうちに使ってしまい、ギリギリにならないと準備をしない」。だから生活が苦しく、そこから抜け出すことができないのだ。

二宮尊徳翁の金言です(夜話よりアレンジ)。