どうも現在のこの世の中は、元禄時代の末期のようだ。だからもうすぐ、享保時代が来る。
いまは、まあ品物は売れている。しかし、売っている品物が日進月歩なのに商売の形が前のままであれば、必ず行き詰る。
江戸時代のように海外との取引を制限し、しかも戦争もなく無事平穏であったら、旧態依然で行けるかもしれない。けれども、いまはそんな時代ではない。
経済のグローバル化が進み、商品も文化もどんどん国外から入ってくる。旧態依然ではいられない。だから、「創意工夫」が大事になる。何か考えることです。
(なにわ塾叢書「商いの精神」から)
※5代将軍徳川綱吉の浪費、や貨幣経済の発展による経済成長とインフレなどで、浮かれた状態は長くは続かず幕府財政はすぐに逼迫。これに対して享保時代(1722年頃)には、徳川吉宗による「享保の改革」を実行。倹約令による支出の抑制、上げ米の制、金や銀の流出を防止策、新田開発などで再び発展軌道に乗った。